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しょーもないけどありえないコンビニ珍事件

学生時代のコンビニバイト時代の話。

 

レジにいたとき、お客さんで

片手鍋を手にした、エプロン姿の年配女性が飛び込んできた。

そのいでたちにビックリした私は、

 

「ど・・・どうされました?」と思わずきいてしまった。

料理中トラブルか何かと思ったのだ。

 

ところがその女性は、私を手招きし、小声で

「あのね・・・汁をね・・・ちょっとだけ、頂きたいの」

と言った。

 

私「汁、ですか・・・?」

女性「あの、おでんのお汁ね。今料理してるんだけど、

ここのおでんの味が好きで、ちょっと頂きたいな~と思って」

 

仰天しました。

いろんなお客さんが来店されるけど、こんな人は初めてです。

おでんのお汁のみを所望するお客さん。

周りのお客さんも凝視。

 

私「ちょ、ちょっと・・・店長にきいてみますね!(動揺)」

女性「いやややや!内緒で貰えないかしら?恥ずかしいので・・・」

 

恥ずかしい・・・!?(いまさら???)

 

私「私では判断できませんので・・・ちょっとお待ちください!」

 

と強引に振り切って、奥の店長のところへ走り説明すると、

店長は監視カメラを観ながら唸った。

 

店長「・・・『今回だけ、次はない』と言って、少量お渡しして(不機嫌)」

 

私は指示通り、「今回だけということで・・・」と言いながら、

その奥様の片手鍋に、おでんのお汁を注ぎました。

 

数杯注いだところで「・・・これくらいでいいでしょうか」と言ったら、

「ごめんね、もうちょっとだけ足して?」と言われた。

いや、けっこう注いでますが・・・(笑)このお汁だってお金かかってる。

 

私も学生で、なめられてたのでしょう。さらに1杯足して、

「すみません、あまりお汁がなくなるとコッチが足りなくなるので・・・」

(↑実際おでんの具が頭が見えるくらいになってきた)

と言ったら、

「そう、そうね!ごめんね、もう大丈夫、ありがとう!ありがとう!!!」

 

と恥ずかしそうに小走りで帰っていきました。

 

なんかもう、あっけにとられて何が何だか。

 

バタバタしていたので、風のように一瞬だったけど、

あとで考えたらおでんの具1つでも買って、

セルフでお汁を多めに入れれば解決するハナシなんですよね。

 

見た目は小奇麗な奥様風で、そんなことするようには見えなかったし、

なぜ鍋を片手に来店したのか、理解に苦しんだものです。

 

見たところ近所に住む奥さんが料理中におでんのお汁の味を考え中、

「そうだ、あのコンビニにもらいにいこう」て思いついた。

そんな感じでした。

 

客商売って大変なんですね。

意味不明な要求だけど、近所のコンビニファンの奥様だけに

ないがしろにするわけにはいかない。

下手して恨みを買ってもいけない。

 

いま思えば、店長さんの判断は的確だったなぁ、と。

でもこうして当時コンビニレジの学生をしていた私に

こんなふうに語り草にされている。

 

規模は小さいながらも衝撃事件でした。

世の中にはビックリするような行動をとる人がいますが、

いまだに忘れられない珍事件の1つではあります。

 

もうすぐ秋、おでんの季節です。

おでんの金属の容器を見ると毎年思い出します。